其の696:2部作後編!「The Crossing-ザ・クロッシング-PartⅡ」

 上映期間が短いので早くも公開されたジョン・ウー監督作品「The Crossing-ザ・クロッシング-PartⅡ」を鑑賞!・・・2週続けて、劇場で映画の続きを観るのは生まれて初めてかも!?

 数年前に紹介された当時から"ジョン・ウー版「タイタニック」"等と言われていたので、いよいよその本命パートの公開となる訳ですな^^!勿論、ネタばれしないように書いていきます🎵

 

 1949年ー。台湾に戻った医師・ザークン(=金城武)は戦争によって強制的に日本に帰国させられた雅子(=長澤まさみ)の事を想っていた。ユンフェン(=ソン・ヘギョ)は行方不明となっている軍人の夫・イーファン(=ホアン・シャオミン)の身を案ずる日々が続く。

 一方、国民党軍が敗走する上海でチェン(=チャン・ツィイー)は恋人の部隊が台湾にいるのではないかとの噂を聞く。その頃、ザークンは内戦反対のデモに参加するため家を出た弟を探しに再び上海を訪れる。

 台湾を目指すチェン、弟を連れて家に戻るザークンらは運命のいたずらか、同じ日に大型客船「太平輪」に乗り合わせる・・・!!

 

 割と前半に前の<回想シーン>もふんだんにあるけれど・・・やっぱり前を観ていないと細かい事が分からないのでPartⅠを観てからの観賞をお薦めします^^。

 PartⅠが<戦争編>なら、今回PartⅡは<船沈没編>!客船「太平輪」(←この映画の原題でもある)は、1949年1月27日に上海から台湾へ向かうも、深夜、過積載&乗組員のミスにより貨物船に衝突!それが元で「太平輪」は沈没。翌朝、オーストラリア軍艦他に救助されたものの、乗船者約1000人の内、生還者は僅か50人程度にすぎなかったという。この実話を元にこの映画は作られている。前作の終わりでも予告されてるし、冒頭、このネタのフリもあるので、主人公たちがこの船に乗るであろうことは容易に推測できる。後は彼らがどうなるか・・・ですわ。

 戦争バトルとうって変わって細かな人間模様が綴られる今作。岩代太郎の曲のせいもあるんだろうけど・・・途中、ふと何故か・・・セルジオ・レオーネの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」を思い出した。おそらくドラマのテンポ(同じ歴史ものでもある)と岩代の曲調がレオーネ&エンニオ・モリコーネに似ていたのかもしれない。いつか機会があったら見比べてみよう。・・・覚えてたら(笑)。

 総製作費・約76億円の超大作ゆえ、船が浸水して沈没していく様子も凄いよ!ウーはハリウッド監督経験者でもあるし、セットとCGの合成も絶妙。キャメロンの「タイタニック」程、スペクタクルにしてないんで、沈む過程の時間は短かったと思う。海に投げ出された俳優さん達は撮影用巨大プールで何日も水に浸かっては撮影、出て休憩しては水に入って撮影・・・を繰り返したんだろうね。見える、筆者には(笑)。

 前作も「話はベタ」と書いたけど、当然"続き"も・・・「話はベタ」よ(苦笑)。ウーは人間の持つ善の部分も悪の部分も容赦なく描写する。ネタバレになるから詳しく書けないし、ある程度、予想はしていたけど・・・オチがちょっとね。あくまで個人的には・・・う~ん、ちょっと観ててつらかったな。映画の出来ではなくて、某キャラの運命が。ウーさんが泣かせようとしているのは明白なんだけどねぇ(苦笑)。

 

 「2本トータルしての素直な感想」は「前半の方が好き」・・・という中坊でも言えそうなコメントになってしまった(苦笑)。ジョン・ウーさん、すみません!!

 でも最新作の「マンハント」よりは総合的な出来は上だし、現時点でのジョン・ウーの集大成的な作品になったと思う^^。次の作品に期待してます!!